北海道旅行の対象
法は、その他にも、組合財産の分別管理義務を規定するとともに、組合員個人に対する債権者による組合財産に対する強制執行等を禁止する旨の規定を設けて、組合財産の充実を図っています。
以下、これらの規定をみていきます。
(1)組合財産の帰属LLPに対して実行された出資、その他の組合財産は、LLPの総組合員の共有に属します(法56条、民法668条)。
各組合員は、組合財産に属する個々の財産に対して、割合的な権利、つまり、共有持分を持ちます。
LLPは法人格を持ちませんから、権利義務の主体はLLPの組合員であり、組合財産に含まれる個々の権利は組合員に帰属するといえます。
LLPの組合財産は、いかに形成されるかという観点から以下のように整理することができます。
組合員の出資した金銭その他の財産LLPに出資された出資金や動産、不動産、有価証券などの現物資産はLLPの組合財産となります。
LLPの業務執行によって取得した財産組合員が、LLPの業務執行者として、LLPの計算において、かつLLPの名において取得したものは、LLPの組合財産になります。
たとえば、LLPが研究開発やコンテンツ制作等の事業活動を行った結果生み出される知的財産は、LLPの組合財産となります。
顧客関係や営業秘密、ノウハウなども組合財産の目的物になり得ると考えられます。
このうち、特許、実用新案、意匠および商標については、登録原簿においてLLPの組合員の合有財産である旨を表示できるように、現在経済産業省が要望しているところです(平成17年7月現在)。
知的財産が組合財産として組合員の合有に属するということは、LLPが活動を続けている間はあまり問題にならないでしょう。
組合員間で合意した業務執行のルールに従ってこの知的財産を利用し、そこから収益が上がったら損益分配のルールに従って組合員間で分配すればよいのです。
しかし、LLPの解散時に知的財産やその他の無形財産について複数の組合員が持分を持っていると、その後その知的財産を利用したり処分したりする場合に問題が生じる可能性があります。
たとえば複数の特許権者がいる特許の場合、各共有者は他の共有者の同意を得ないで自ら特許を利用することはできますが、持分を譲渡したり第三者にライセンスを与えるには共有者の同意が必要です(特許法73条)。
共有されている著作物の場合は、共有者の同意がなければ自ら利用することすらできません(著作権法65条2項)。つまり、共同研究開発や映画等のコンテンツ制作を目的とするLLPにおいて、成果物として知的財産が生み出されても、LLPが解散してしまった後には結局誰もその知的財産を利用できないという可能性があるのです。
そこで、知的財産を始めとする分割が困難な組合財産については、解散時を想定した契約を組合員間で締結しておくことが望ましいと考えます。
組合財産から生じた財産組合財産である金銭について生じた利息や、組合財産である知的財産をライセンスして発生したライセンス料は、組合財産から生じた財産として組合財産に組み込まれます。
また、組合財産が第三者によって侵害された場合に生じる損害賠償請求権も、組合財産になると考えられます。
組合の債務以上はいわばプラスの組合財産ですが、LLPが業務を執行するにあたって債務を負担した場合、この債務も組合財産になります。
これはマイナスの組合財産といえるでしょう。
たとえば、LLPの活動資金として借り入れをした場合の借入金債務や、LLPの活動のために事務所を借りた場合の賃料債務、LLPの業務に従事させるために雇用した従業員の給与債務は、LLPの債務として、組合員の個人的債務から区別して考える必要があります。
さらに、組合員の不法行為による責任やLLPの所有する建物から生じた工作物責任のように、LLPの業務に関して第三者に損害を与えた場合の損害賠償債務もマイナスの組合財産となります。
(2)組合財産の管理組合財産が組合員個人の財産と明確に区別されていないと、組合員個人に対する債権者が組合財産に強制執行をかけるなどして、組合財産が損なわれるおそれがあります。
そこで、組合員は、組合財産を自己の固有財産および他のLLPの組合財産と分別して管理することが義務づけられています(法20条)。
具体的にどのような管理方法を採用すれば「分別して管理した」といえるのかは、対象となる組合財産の性質に応じて個別に判断されることになりますが、基本的には、別々の事務所や倉庫で保管するなど、物理的・客観的に分別されていれば足りると考えられます。
それ以外にも、シール等の識別票を貼付したり、有価証券について会計帳簿上で分別管理を行ったりする方法も考えられます。
LLPの組合財産である金銭について組合員Aが管理業務を担当している場合、Aとしてはその金銭をAの個人名義の預金口座ではなく、「○○有限事業責任組合組合員A」という肩書き付き名義の預金口座で管理するべきでしょう。
なお、各組合員はLLPの組合財産を管理する権利を有しない場合でも、組合財産の状況や管理業務の状況を検査することができます(法56条、民法673条)。
これは、組合財産の共有性を理由として、各組合員が自己の利益を保全するために認められた権限です。
この規定に基づき、各組合員は、組合財産の管理業務に直接関与していない場合でも、管理業務が適当に執行されているか、また組合財産が完全な状態にあるかどうか検査する権利を持つことになります。
(3)組合財産の処分組合財産の処分は、通常は組合の業務執行に含まれると考えられます。
重要な財産の処分については原則として総組合員の同意が必要ですが(法12条1項)、重要な財産の処分および譲受けのうち、その価額が組合の純資産額か20億円のいずれか低いほうを下回るものについては、LLP契約の定めにより総組合員の3分の2の同意まで要件を軽減することができます(法12条2項、規則5条1項1号。
重要でない財産の処分については、組合員間で定めた業務執行の規則に従って行われることになるでしょう。
組合財産処分の権限を特定の組合員に委任している場合、処分権限を持たない組合員が組合財産を処分しても、この処分は無効です。
ただし、組合員間の取り決めにより組合員の業務執行権に制限を加えた場合、このような制限が存在することを善意の第三者に主張することはできませんから(法13条3項)、組合財産の処分について権限のない組合員Aが組合財産を第三者に譲渡した場合、Aが財産の処分権限を持たないという事情を譲受人が知らなければ、LLPは譲受人に対して財産処分の無効を主張できないことになります。
各組合員は、組合財産に属する個々の財産に対して、共有持分を持つと考えられます。
通常の共有の場合は、各共有者には持分処分の自由と分割請求権が認められますが(民法256条)、LLPの組合財産の場合、各組合員は、持分を処分することはできません(法56条、民法676条1項)。
また、LLPの解散による清算前に組合財産の分割を請求することもできません(法56条、民法676条2項)。
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